SENN Project Japanese: 森崎弘也インタビュー (Cream #16)

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2006年06月20日

●森崎弘也インタビュー (Cream #16)

Cream #16に掲載されたヒロのインタビューです。Creamのメインフォトグラファー、Manuが過去5年間ずっと表紙を撮ってきたけれど、初めての他のフォトグラファーに表紙を撮らせてくれるということで自分が指名してもらえたのがすごく嬉しかった。

ヒロはその限られた特権をBMXフラットランドの世界でもつ、稀な人間であると思う。しかし年月を経て、天才ライダーにも時は平等に刻まれていく。物事の終わりが視野に入ることで、人は思い悩み、それを乗り越えていかなければならない。そしてそれは天才であろうが、凡人であろうが、BMXであろうが何であろうが変わらない。1人の天才ライダー、1人の27歳の男として、人生に向かい合う人間がここにいる。あなたと変わらない何かを持ち、誰もまだ見ぬ新たな地平を目指して。

今何を目指して乗ってるの?ヒロが乗りつづける理由は?体を壊すまでアグレッシブな技をやっているけれど・・・。そういうリスクを背負ってまで攻めつづける理由は?

初めて今やってるトリックをやった時はそれがリスクだとは思わなかった。

今やっているようなトリックを初めて考えたのはどのくらい前?

5年くらい前かなぁ。ある程度イメージはあった。でもその時はまだ難しすぎた。テイルウィップとかアグレッシブな感じに本腰入れてやっているのはここ2年か1年半くらい。自分がやっていてテンションがあがるトリックがいいなぁと。

ヒロとかたくさんトリックを持っていて、捨てるトリックも多くて、その中でもテンションがあがるトリックを選んでいくと?

色々な技考えるけれど、そういうチョイスになってきたね。新しいコンセプトだし、自分がカッコいいと思う技がたまたまそれだった。これからそのコンセプトでももっと色んな種類のが絶対出てくるでしょう。 

技はなんか飛ぶだけじゃなくても、テンポがいい奴がいいね。スピード感がある、みんなが見ていて興奮する、見ている人が油断してたら今なにやったの?って見落としてしまうような。展開の早い、テンポのいいトリックは重要。でもテンポが崩れると、決まらなくなってしまうけれど。

コンテストは必要?

どっから凄い奴があらわれてくるかわからないからね。凄い奴が出てきたら単純にあがるじゃん。すげーって。昔はすごく順位を気にしていた。順位、順位って。でも今は3人ジャッジがいても、そいつらだけの評価だし。コンテストに来ているまわりのみんなが認めてくれて救われたりする。「あ、自分がやってきたことは正しかったんだ」って。自分がそのトリックを愛してることは間違いないわけで、ケガしながらもやってきて、やっとカタチになって、それがみんなにも納得されたら救われるよね。

ライダーの中には自分が決められればそれだけで満足する、欲求が自分の中に向いている人もいるけれど、ヒロは見ている人、第3者っていうのも重要なんだ?

見ている人の存在も多少は気になるけれど、やっぱり自分がよかれと思ってやっているだけだから、乗ることっていうのはやりたいこと、ってことでしかない。

それでプラスアルファ、みんなが自分がやっていることを喜んでくれたら嬉しいと。

みんな自分がカッコいいって思うトリックだけを目指していくよね。結果、みんながいいって言ってくれたらよかったな、みたいな。確信っていうのはないよね。やりたいことをやってくしかない。勝つためにやってるわけじゃないけれど、結果的に勝ちにつながる、ってことは更に嬉しいじゃん。みんながいいっていってくれたり、コンテストで勝つことも何かしらの結果だし。それで自転車をはじめる奴がいたらそれも結果だし。そういう結果がついてきたら、なおいいよね。

今年はヨーロッパを転戦してたじゃん。なんでそこまでヨーロッパにこだわったの?

なんでだろ。意味はあまりないかなぁ・・・。いいコンテスト、大きいコンテストがあるのがヨーロッパだし、ライダーも増えてるし、凄いライダーもたくさんいるから、そこでみんなと乗りたい、っていう気持ちがあったからかな。それが一番メインかな。それに付随して、日本にあまりないコンテストが面白いし。バトルスタイルとか。楽しく乗れるし。2分間や3分間のコンテストで出し切れないものも出し切れたりするし。余計にいいかな。バトル形式は自分は得意で、それも楽しめる。交代交代だから息も続くし、より難しいことにもチャレンジできる。

ヒロのトリックって息が出来ないんだ?

エルクとか入ったら息がつげるみたいな。息はしているけれど、止めている時間が長いよね。ロングつないだ後のルーティーンはつらいかなーみたいな。2分間フルに集中力を保ててない気がする。勢いでいっちゃってるところがあるよね。できる技でも、コンテストでは勢い気味だよね。なんか。

自分のトリックに関しては?

自分にしか出来ないことができたら、一番いい。でもいずれはみんなやってくるから、チャリのライダーの環境も、チャリも進化してるから。ライディングは絶対進化するはずだし。やりたいことをやり続けるくらいのスタンスがいいのかな。

ヒロとか肘に爆弾を抱えていて、乗れなくなるっていうか、そういうことを考えたりする?焦ったり・・・

肘が痛くて乗れない期間がもったいなく感じるよね。でもそのおかげで前よりも自転車に乗るようになった。逆に。真剣味が増した、っていうかテキトーに乗っていたところがなくなってきた。いつか乗れなくなることを考えたらね。でもそれより私生活が大変なのがツラいかな。顔が洗いにくいとか。ちょっとづつ考えながら生活している。でも自分の中ではあまり現実味がない。スグに乗れなくなる感じはしないし、乗れなくなったらどうするんだろう、って思う。

みんな何歳まで乗るんだろう?ジェシーとか結構みんな年取ってきても乗れてるから、何歳まで現役で乗るのか、乗っていっていいのかみたいな、みんながその辺どう考えているのか気になる。一生できる仕事なのかなぁとか、乗れなくなったとしてどういう距離感で付き合っていくのかとか。どういったことがターニングポイントになるのかとか。生活のスタイルも変えなきゃいけないだろうから。

ウデがもう使い物にならなくて乗れなくなったら仕方ないけれど、年だけを考えた場合、いつ乗なくなるのか、今の状態、プロで通用するレベルで乗れる状態を何歳まで維持できるか本当にわからない。誰もが結果を出していないっていうか、やり遂げていないから。難しいよね。ちょっとづつコンテストにでなくなってきて、みたいになるのかなぁ。どう思う?

俺は腰を痛めてチャリに乗れなくなって、でも今は写真やこうしてBMXに関わっているし、手が取れたとか足がなくなったとか何らかの理由で乗れなくなったとしても、そのエネルギーは別の表現に向うと思う。自分が写真にシフトしていったように、今のトッププロのライダーたちを見ていても「表現したい」という欲求が強いから、それが別のカタチで現れるだけだと思うよ。

何歳まで乗るんだろう、BMXで一生関わっていけるのかってみんな思ってるだろうし、俺もそれが気になる。乗れるならずっと乗ってたいじゃん。乗って生きていけるならそれがベストだけれど、そうじゃないはずだから、どうかなーって。日本より海外はまた違うスタンスなんだろうか。全然違う考えを持っている人もいるよね。