SENN Project Japanese: 田邊 泰志インタビュー (Cream 2004)

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2006年07月09日

●田邊 泰志インタビュー (Cream 2004)

忍者の里、三重は伊賀のライダー、田邊とよく話をするようになり、彼の地元を訪れた時に行ったインタビューです。この時の写真が2ページぶち抜きで初めて使われた写真として今でも記憶に残っています。

田邊 泰志インタビュー

じゃあまず基本事項から

田邊 泰志、誕生日は1978/10/28、血液型はRH+O

059BRANDについて聞かせて。

059BRANDは、サポートライダーの意見を尊重して、ライダーのイメージや、キャラも大切にしている。もちろんライダーの求めるパーツを作ろうと心がけているし、他メーカーのパーツにはない、059BRANDらしいパーツを作るようにしている。059BRANDの名前の由来は、三重県の市外局番が059だから、三重県から発信している、ということを主張したくて植田とつけた。
 俺と植田との関係は3歳くらいまで遡る。悪いこと、いいこと、勉強、スポーツ、趣味とか、とにかくなんでも競ったり、協力したりして行動してきた。BMXを買った日も全く同じで、訳もわからず2人で夜遅くまで練習して、アルバイトしながらBMXのパーツを買いつづけ、そんな高校生活を送っていた。
 学校を卒業してからは、お互い別々の道を進んだのだけれども、数ヶ月してお互い同じ練習場所に戻ってきた。また一緒に乗り始めて何ヶ月か経つと、周りに少しづつライダーも増え始めて、2人の意見を出し合ってパーツやビデオを作り始めたのが059BRAND。
ブランドの中では、俺はライダーと触れ合っていくBMXの表の世界にいて、逆に植田は、059BRANDという一つのブランドとしてBMXの裏の世界にいる感じ。それで、お互いが自分の世界を歩んで知った事や分からない事を言い合って、自分の知らない空間を埋めあってる。
本当は大会に出ることが嫌だったのだけれど、初めて大会に出るキッカケを作ってくれたのが植田だった。それまでも色々とキッカケを作ってくれてきているし、植田には感謝している。植田とは普通の友達というより、全然性格の違う兄弟みたいな感じで、信頼できるパートナーです。

両親の耳が聞こえない、という中で育ってきたけれど、つい最近手話を始めた、というキッカケは?

 祖母がなくなった時に、祖母のそばで涙を流しつづける母を見ていて、母は祖母を最後の言葉を掛けてあげることが出来なかったけれども、祖母は亡くなってから何かの力で母の心に語りかけたのだと思う。その姿を見ていて心が打たれた。もしこの先、自分の両親に何かあって、見送らなければならない時が来た時に、両親は手話で何かを言い残すかもしれない。その時、手話を分かってあげられなければ、後で自分が後悔すると思ったから学び始めた。

それまで両親とはどうやってコミュニケーションを取っていたの?

 自分も祖母も昔は手話を使わなかったから、紙に書いたり、ジェスチャーや、呼ぶ時は振動で伝えたりしていた。

手話を教えてもらってから何か変わった?

 両親と手話で会話するようになってからは、今まで両親がしてきたことを聞かせてもらったり、両親と自分の、お互い分からなかった部分も話すようになった。自分がわからない手話があったら教えてくれるし、両親が分からない事があれば、自分が手話で教えるという関係で、すごく家族関係がよくなった。それから手話ではないけれども、友達の間でもコミュニケーションを多く取れるようになっていった。
 もし耳の聞こえない人がBMXをしようと思っているなら、コミュニケーションを取って、一緒に乗りたい。自分の中では何かリスク(ハンデ?)を背負っている人ほど、ずば抜けた才能があるのかもしれない、って思っている。もしかしたらこの先、耳がBMXライダーが現れて、すごいことをするかもしれない、とか色々考えられるからね。

KOGに関わってくれているけれど、その理由は?

 自分はそんなにたいした仕事はしていないから、偉そうにはいえないけれど、BMX Flatlandを盛り上げて行きたいし、自分も含めて、みんなのモチベーションを上げていきたいから。KOG関係者1人1人に仕事の負担を分けあって余裕が出来れば、また良いアイディアが出てくると思うし、良い大会にしたいと思うから手伝っている。
 正直に言うと、KOGの人に対して点数をつけてしまう、という点はあまり好きじゃない。点数をつけることによって、ジャッジや色々問題が生まれる。でも全くBMXを知らない人たちから見るとよしあしが分からないし、評価がしにくいから、点数が必要なこともある。ライダーも自分の力がどこまでなのか、どのくらいの位置なのか分からないし、それを知りたいライダーもいると思うから、ライダーが本気にならなければならない場所、といういう意味でKOGは必要だと思う。KOGにはみんなが集まるし、楽しい場所、本気になれる場所だと思う。

ライディングで表現したいこと

 表現しようというよりは、楽しく乗ることを心がけている。ライディング中は無心というか、夢中になっているし、BMXに乗っているときが一番楽しい。他人から見ても楽しく乗っているよう見える、と言われたりする。自分のスタイルとか、こだわりとかもあるけれども、ライディングで何かを表現しよう、っていう意識はない。
 ライディング中は自分そのものを感じて乗っている。でも俺が中学、高校時代にバスケをしていて、そのころを知っている友達からは「ライディングがバスケっぽい動き」って言われたことがあって、もしかしたら無意識に今まで自分がしてきた事をあわせて表現しているのかもしれない。
 自分らしい乗り方には気をつけている。トリックを考えついても、どこかで同じトリックを考えている人はいっぱいいる。でも自分らしいトリックやルーティーンも、オリジナルトリックと同じくらい重視している。

これからしようと思っていることは?

 チャリを乗り続けながら、今、自分が出来ることをやっていこうと思う。海外にはチャンスがあればもっと出て行きたい。今は日本の色々な場所でショーを出来るように働きかけたり、もっと色々な場所に行って、ローカルのライダーと乗ったり騒いだりして、お金では買えないような何かをしていきたい。歳は取っていくけれど、体が動く限り色々動いていきたい。